倒すべき“人類の敵”の正体とは!? 知略サスペンスバトル『無能なナナ』!
こんばんは、椎名ロビンです。
土曜日に出勤し、そして日曜日も朝から出勤であるということを考えるだけで、腸が沸騰しちゃいそうだよぅ……!
最近ではもっぱら仕事中に職場でゾンビパニックが起こったらどうするかだの超能力に目覚めるなら何がいいだろうかかだの凡そ30歳間近の中年男性がすることとは思えない現実逃避に勤しんでおります。
心は中学生ですからね。
いつだって超能力に目覚めたいし、ゾンビとかテロリストと格好良く戦いたいのです。
そんなわけで、本日紹介するのはこちら。
『無能なナナ』!
物語の舞台は、絶海の孤島にある学園!
生徒は全員若き超能力者!!
“人類の敵”を倒すべく、個性豊かなキャラクターが訓練を受けるという、心の中の中学生が擽られる、まさに王道設定!!
無能なナナは、そんな孤島の学園を舞台に繰り広げられる、正義と悪の知略サスペンスなのです!!!!
……ええ、そうです。
正義と悪の知略サスペンスなのです。
単行本の裏表紙にも、そうあります。
王道のようでいて、変化球。
それでいて、心の中の中学生を擽り続けるストーリー。
その内容を、ネタバレにならぬよう配慮しながら、簡単に紹介してみたいと思います。
『この島に巣食う人類の敵を残らず殺せ――』
そんなメールから、物語は幕を開けます。
“この島”とは!
強大な“敵”に対抗しうる力を持った超能力者の子供を集めた島である!
食費や生活費、果ては小遣いまで政府が賄っており、子供たちは比較的自な暮らしを謳歌している。
軍隊のような厳しい環境ではなく、生徒が全員超能力者である点を除けばどこにでもある普通の学校にも見える。
勿論、対“人類の敵”を想定した戦闘訓練があるという点は、普通じゃないんですけどね。
“人類の敵”とは!
50年ほど前に地球に飛来したとされる存在で、今も人の世に紛れ人類を脅かし続けていると言われています。
教科書にはまさに『化物』といった風な姿が載っていますが、それはあくまでも汎用型。
それより巨大な姿のものや、人の姿をしたものも存在するというのです。
……そう、人の姿。
“人類の敵”にも、知性はあります。
そして、故に、こんな噂もあるのです。
「訓練のため“人類の敵”に対抗できる能力者が集められたこの島に目をつけた“人類の敵”が、すでにこの島にやってきている」
だから、生徒の中には、警戒して自分の能力を秘密にする者もいるのです。
そんな島に、二人の転校生がやってきます。
能力を隠す怪しい少年“小野寺キョウヤ”と人の心が読める能力者“柊ナナ”
狂言回しである“中島ナナオ”とナナが親しくなったことで、物語は動くのです。
クラスのリーダーを決める際、無能力者扱いされいじめられているナナオを推薦し、ナナは言いました。
ナナオは誰より勉強をしているし、エリート意識から来る傲慢さもなく、何より心がとても優しい、と――
そして、クラスのリーダーを決めるべく起こる能力バトル。
しかしこれは、ライトノベルのような学園能力バトル者ではありません。
物語は急展開を迎え、知略サスペンスへと急転直下していきます。
ネタバレになるので書けませんが、とにかく第一話から物凄い展開です。
島に巣食う“人類の敵”を全滅させねばならない。
だが、それに気付かれてはならない。
“人類の敵”が敵対者の存在に気付き、総出で暴れでもしたら、その被害は尋常では無いのだから。
そして始まる、水面下の知略バトル。
騙し、謀り、疑われ、誤魔化し、騙し、そして命を奪う、まさに知略サスペンス。
能力を駆使した頭脳戦が好きならハマること間違い無し。
『車輪の国』シリーズの『るーずぼーい』先生が原作をしているので、ファンの方も必見です。
第2巻は5月には出るようですので、またそのときに、今度は1巻の内容にもっと踏み込んでレビューを書きたいと思います。
しかしやはり自らの目で、この衝撃を知ってほしいので、皆さん是非、無能なナナを読んでみて下さいね!