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ほー、なんだそのオモシロ新展開は? 今なお連載中のキン肉マンが最高に面白い!

 

こんばんは、椎名ロビンです。

色々あって少々間が空いて久々の更新です。

お題は、以前も記事にしたキン肉マンでございます。

 

↓以前の記事はこちら↓

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この記事でも語った通り、キン肉マン今なお連載中なのです。

一度最終回を迎え、続編である二世の連載が始まりました。

そして今は、”続編”ではなく”初代の続き”として新シリーズが始まったのです。

単行本も、仕切り直さずそのまま巻数が続いています。

 

本当に長い長い時を経て復活したキン肉マン

折角ボクも長い長い期間を経てブログを復活させた所ですし、このキン肉マンの新シリーズをネタバレとか気にせずに語っていこうと思います。

ネタバレが嫌な人は、今すぐ書店へGO!

連載はWebでされていますし、無料で読めるので、さっさと追いつくか、ネタバレ気にせずさっさと最新話を読むことをオススメしますよ!

 

 

そんなわけで新シリーズが始まったキン肉マンですが、これがまた物凄い魅力的なシリーズなのですよ。

直前にやっていた二世のタッグ編があまりにも不評だったので、正直読者としても身構えてしまっていたのですが、蓋を開けたらまあビックリ。

当時よく耳にした不満点が物の見事に解消されており、あの『圧倒的人気を誇っていたキン肉マンの続き』を名乗るに相応しいクオリティになっているではないですか!

しかもただ全盛期の面白さを取り戻しただけでなく、当時より更にパワーアップしているんだから、まさに再生(リボーン)ゆでたまご先生なわけですよ!

ここでは、前回語った初代キン肉マンの魅力に加え、今のキン肉マン(今後『新肉』と表記したら、今のシリーズのキン肉マンを指します)で新たに増えた魅力について、簡単にですが語らせて頂きたいと思います。

 

 

【新肉の魅力① テンポが良くスピーディー】

後期二世はとにかく引き伸ばしが凄く組み合わせ抽選で複数話を消費したり、読者全員気付いてることをキャラが延々解説したり(しかも同じ内容を週をまたいで復唱したりする)と、とにかく長いうえに中身が薄い傾向にありました。

そのテンポに辟易していた読者をグッと惹きつけたのが、1ヶ月かからずにゴングが鳴ったテリーマンの試合なんですね。

内容も引き伸ばしどころか「えっ、こんな密度でガンガン飛ばしていくの!?」と言わんばかりの密度で、読者の見たかったテリーマンの魅力をこれでもかと詰め込んだ試合でした。

『完璧超人無量大数軍編』においては1試合2話で終わるものもあり、非常にテンポよく読むことが出来ます。

続く『完璧超人始祖編』では、1試合あたり1巻くらい使うようになりますが、しかし「だらだらやっている」という印象は受けません。

というのも、2世までの頃からは考えられない、次の魅力が増えたからなんですね。

 

 

【新肉の魅力② 伏線が機能しかつての描写が今を際立たせる、後先が考えられたストーリー】

『ちゃんと伏線があって、描写が後々効いてくる』――今ではそんなのどの漫画でも当たり前なのですが、昭和のジャンプ作品、とりわけキン肉マンにはそんなもんほとんどありませんでした。

 まあその勢いだけで突き進むライブ感みたいな所が魅力ではあったわけですが、新シリーズではテーマが一貫していたり、きちんと先のことを考えて作劇されているのがよく分かります。

 いや、まあ、「ついに出陣!」みたいにデカデカと扱ったシルバーマンの存在をすっかり忘れてたりと、ゆで先生らしいところも健在なんですけどね……

Web連載に移行して以降の担当が非常に優秀かつキン肉マンファンで、ゆで先生に欠けている『過去の展開や設定を活かしてストーリーを展開する』という部分をアドバイスで補ってくれているようです(出典はアメトーークなど)

おかげで旧シリーズの謎が紐解かれるのは勿論、各キャラクターの『ノリと勢いで”なかったこと”にされていた暗黒期』に今改めて向かい合うのが本当に熱いんですね。

キン肉マンを筆頭として、昭和のジャンプ漫画は、仲間入り前の人間性がカスだったころの蛮行が仲間入り後になかったことのようになるケースがちょいちょいあるんですが、よもや十年以上の時を経て改心の経緯が書かれたりセルフパロディをされたりするとは……

こういうテクニカルにオールドファンを満足させてくれる部分は、有能編集がついた新肉ならではの魅力と言えるのではないでしょうか。

 

 

【新肉の魅力③ 魅力を維持し続ける敵キャラクター】

キン肉マンは元々、敵キャラクターにも魅力的なキャラクターが多く居ました。

特に序盤のオリンピック編などでは、その敵キャラクターの大半がアイドル超人として味方になる等、敵ではあっても憎めない“ヒールレスラー”としての魅力を持っていました。

それはその後、正義超人と敵対する悪魔超人が出てきて以降も変わりませんでした。

バッファローマンネプチューンマンなど、後に正義超人入りを果たすのも納得なライバル達が数多く現れました。

 

しかしながら、一方で、最後まで”格好いい悪役”を貫けたキャラクターというのは、実はそんなに多くなかったりします。

というのも、当時キン肉マンが築き上げた『人気と人格を兼ね揃えた敵キャラクターは味方入りするシステム』の都合上、“格好いい悪役”の大半が最終的には“格好いい味方キャラクター”になってしまうですよ。

例えば人気と実力を兼ね揃えた悪魔超人の代表格であるアシュラマンなんかは、タッグ編でサンシャインと『悪魔にだって友情はある』という作中屈指の名シーンを演じておきながら、友情に目覚めてしまったからか親友であるサンシャインを捨てて単身正義超人入りしてしまいました。

なお残されたサンシャインは普通に死亡してオメガマンの指として再登場していました。

しかも二世でサンシャインは一人ぼっちの悪魔超人軍ロートルとして、アシュラマン達と過ごした日々に思いを馳せてたし、サンシャイン、報われ無さ過ぎる……

  

そんなわけでただでさえ人気があって格のある超人は正義に転向してしまうというのに、更には正義転向しない超人は自らの格を落とす行動を取ることが非常に多いというのもありました。

それは正義側の強さを引き立たせるものだったので仕方のない部分は多少あるのですが、しかし直前のタッグ編で敵に回ったキン肉マンテリーマン父親世代があまりにもひどすぎたうえにシリーズボスがインチキアイテムのオマケにしか見えず強さに説得力がないという惨状を見せつけられていたため、頼むから次こそ無駄に格落ちしない敵キャラクターよ出てきてくれ!!と思ってしまったんですよね。

そして、その想いに応えるように、新シリーズの敵キャラクターは一貫して格好いいんですよこれが。

 

まずシリーズ冒頭に襲来する完璧超人無量大数――彼らが完璧な掴みをしてくれます。

テリーマンが戦うまでの一ヶ月弱をただ無駄に使うわけではなく、あらすじ説明を兼ねた導入である1話のラストで攻め入り、2話目ではジェロニモや懐かしの脇役正義超人達をリングの外で圧倒し実力をアピール。

その際超人を人間に戻すというチート技を披露しつつも、真っ向からの打撃でジェロニモを下すことで、単なるチート技だけじゃなく本当に強いという印象と特殊な技が使える特別な存在であることを同時にアピールし、読者の心に“シリーズボス”として即座に居座る凄みがあったんですね。

 

更に実力のみならず、その内面も風格漂うまさに完璧と言わんばかりでした。

例えば先鋒のマックス・ラジアルがテリーマンに敗れても、決して口汚く罵ることはないんですよ。

敗者には死の掟があるというのに、決して粛清の殺害はせず、誇りをかけて自害するよう促してきます。

歪んではいるし、主人公達に否定されてナンボな形ではありますが、それでも確かに彼らには彼らの仲間意識があったんだろうと分かる素晴らしいシーンです。

 

今回は敵がとにかく魅力的なので圧倒的に尺を取っちゃってますが、まだまだ語り足りないくらいです。

最初に襲い来る完璧超人・無量大数には、様々なタイプの敵キャラがいました。

ただの犬畜生みたいなヤツとか登場時に外見だけで読者に満場一致で新シリーズ最弱候補にされた蛇口野郎もいたんですけど、でも彼らは彼らでやられる敵役として謎の魅力を持っていました。

そして何より、その首領格であるストロング・ザ・武道が最高だったんですよ。

『相手を超人から人間にするというチート能力を有しながら、それを自分が試合で有利に働くようには使わず、素のスペックで魔雲天を圧倒する強烈な強者アピール

『その人間に戻す技を“人間に戻れば殺さないでやる”という慈悲として使用することで傲慢さと圧倒的格上感を演出し、更にそれを突っぱねた魔雲天を“一人の倒すべき超人”とみなすシーンの強者の風格

『そこから繰り出されるフェイバリットもシンプルながら威力が想像しやすいココナッツクラッシュ系の技』

『そして最後は最後まで立ち向かってきた魔雲天の手を組ませ、敬意を持ってトドメをさし、《誇り高き“完”敗――》という名キャッチコピーが似合う形で対戦相手を退場させる格好良さ

これらはどれか一つだけ取っても、薄っぺらく見える可能性があります。

しかしこれらがコツコツ積み重なることで、“武道が圧倒的強者であることへの説得力”が生まれているのです。

 

 

【新肉の魅力④ ヒールサイドを中心に展開される壮大なストーリー】

今回はボスキャラクターであるストロング・ザ・武道を中心に、壮大な物語が展開されています。

②でも語った通り、今までのキン肉マンと比べ様々な描写が伏線となっており、“今戦っている試合の展開”だけでなく、“このシリーズの最後の展開”そのものが非常に気になる作りなのです。

キン肉マンで“真面目な考察”をする日が来るなんて、誰が思ったでしょうか。

今の漫画では当たり前かもしれませんが、ソレをさせないからこその勢いを持っていたキン肉マンが、勢いを殺さずソレを身につけたんだから、そりゃあもう面白くないわけがない!

 

最新章である完璧超人・始祖編に至っては、出て来る敵が全員ボスクラスの風格を持っているんですよ!

しかもそいつと戦うのは、何も正義超人だけじゃあない!

始祖編の主役は、悪魔将軍と言っても過言ではないのだ!!

しかも正義超人入りするわけでもなく、悪魔超人のトップとして、新たな敵と戦うのです!

敵キャラクターを魅力的に書けるようになった今のゆでたまご先生だからこそ書けるこの新シリーズ!

まだまだ語り足りませんが、間もなく最新話が更新されます(ゴールデンウィーク?惑わされるなーーっ!!)

 

とうとう悪魔将軍VSストロング・ザ・武道の頂上決戦のエピローグに入るこの話を、見ないわけにはいかないので、今回の更新はここまでにさせて頂こうと思います。

僕はこの時ばかりは、ブラウン管の前に座ってアニメの放送を待っていた少年の心に戻るのです。

みなさんも、こいつは女房を質に入れてでも見に行かなあかんで!!