Studio A.D.S.

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【謎のオジさんに魅せられた女子大生】『潜熱』を読む

先日はエイプリルフールでしたね。皆さんはどんな嘘をつきましたか?私は、親に「今度、結婚します」と送ったところ……母親が泣くほど喜んでしまい。嘘でした、と言えず困ったことになってしまいました。こりゃあ、一時実家には帰れねぇぞ!!

さて、今日紹介しますのはこの作品。

潜熱(1) (ビッグコミックス)

『潜熱』

↓↓↓作品紹介
女子大生の瑠璃は、バイト先のコンビニで毎日タバコを二箱買う男が気になっていた。その男の正体は…。

ヒバナ公式サイトより引用)

著者は野田彩子先生。現在、小学館発行のヒバナにて連載中です。このヒバナですが、元はビッグコミックスピリッツの増刊として創刊された漫画雑誌であります。創刊時の秘話をヒバナの編集長・湯浅生史氏へのインタビュー記事が『CanCam』にて公開中です。『CanCam』って、ファッションだけじゃないんですね!!

■ミステリアスなおじさんに惹かれる女子大生

女性という生き物は、いつの時代もキケンな香りがする男性に惹かれるものなのでしょうか?主人公・瑠璃は、コンビニでバイトを始めたばかりの女子大生。そのバイト先に、毎日タバコを買いに来るヤクザ・逆瀬川のことがどうにも気になり始めます。

ある雨の日、逆瀬川の車でバイト先から家まで送って貰った瑠璃。彼女は、逆瀬川のキケンな雰囲気とタバコの匂いに、どうしようもなく魅せられてしまうのです。

危ない、と頭では理解していても、どうすることも出来ない恋心を野田彩子先生がしっとりと描かれていて、1コマ1コマから溢れる余韻が素晴らしい。

幸せにはなれないと分かっていながらも、ブレーキを掛けられない瑠璃の心の熱がひしひしと伝わって来るんです。

いやね、この感覚分かるような気がします。街を歩いているとたまに見かけませんか?「この人、何やってる人なんだろ?」って恰好をしていたり、平日昼間からランボルギーニフェラーリを乗り回しているような人。

そういう人って、謎のオーラがあるんですよね。往々にして、そういう人はカタギっぽっくないのが特徴なんですが……確かに、男の私から見てもそういう人って不思議な魅力があるんですよ。ちょい悪的な……ジローラモ的な……ね?パンツェッタ!!

■著者の野田彩子先生について

著者の野田彩子先生は、2014年に休刊した月刊IKKI小学館)の新人賞・イキマンを受賞してデビュー。初連載作品である『わたしの宇宙』は大反響を呼び、新聞のコミック評や週刊文春などでも取り上げられました。ご本人はヲタクであることを公言されており、『新井煮干し子』別名義ではBLの二次創作でも活躍されています。デビュー作である『鮫島さん』は、コミティアに出されるはずだった作品だというから驚きです。

■最後に

この『潜熱』ですが、現在コミックス1巻が発売中。今後、瑠璃の逆瀬川に対する熱くキケンな恋心は一体どうなって行くのでしょうか? グラっとするような〝内に秘めた熱〟が滲み出るのを感じられるこの作品、おススメですよ。


肥後ばいそん