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【第23回電撃小説大賞《大賞受賞作》】86 感想

おはようございます、アスカです。

普段あまり読まないんですが、本屋の謳い文句のセンスに負けて買っちゃいました。

 

86―エイティシックス― (電撃文庫)

 

『86』でございます。

先に感想を要約すると、男の子がワクワクする要素がギッシリです。

 

全体の雰囲気はシリアス。

けれども、ラノベ的なテンポの良さ、読みやすさは損なわずバランスの良い文章も好きでした。

では、もう少し深く紹介していきましょう。

 

■あらすじ

サンマグノリア共和国。そこは日々、隣国である「帝国」の無人兵器《レギオン》による侵略を受けていた。しかしその攻撃に対して、共和国側も同型兵器の開発に成功し、辛うじて犠牲を出すことなく、その脅威を退けていたのだった。

 そう――表向きは。

 本当は誰も死んでいないわけではなかった。共和国全85区画の外。《存在しない“第86区”》。そこでは「エイティシックス」の烙印を押された少年少女たちが日夜《有人の無人機として》戦い続けていた――。

 死地へ向かう若者たちを率いる少年・シンと、遥か後方から、特殊通信で彼らの指揮を執る“指揮管制官(ハンドラー)”となった少女・レーナ。
 二人の激しくも悲しい戦いと、別れの物語が始まる――!

(電撃文庫公式サイトより)

 

■テーマ

本作品のテーマはズバリ「差別」です。

戦争における不満のはけ口。使い捨てにされる兵士。

ネタバレというほどではないですが、本書の言葉を借りるなら

豚に人権を与えぬことを、非道と謗られた国家はない。

 

故に、

言葉の違う誰かを、色の違う誰かを、祖先の違う誰かを人の形の豚と定義したならば、その者達への抑圧も迫害も虐殺も、人倫を損なう非道ではない。

(本書1ページ目より)

これがこの作品の全てです。

うーん、ディストピア

 

 

86―エイティシックス― (電撃文庫)

86―エイティシックス― (電撃文庫)

 

 ■感想

冒頭でも記述しましたが、ディストピアに戦闘兵器に多脚ロボ、ボーイミーツガールにレジスタンス(のようなもの)にSF的アイテム。

男の子が大好きな要素満載の作品となっております。

 

そして何より、所々に散りばめられた表現力と細かい伏線の数々。読ませる伏線に隠された読めない伏線。

詰め込まれた要素が崩れないバランスと大変楽しく読めました。

 

序盤でストレスが溜まったり中弛みもほとんどなく、1巻完結のスピード感は普段本を読まない人でも楽しめるのではないでしょうか。

 

本書の著者「安里アサト」先生の次回作にも期待が持てます。

まずは本書「86」を一度手にとってみてはいかがでしょうか。

 

それでは、小鍛治アスカでした!