あなたの黒歴史、なんですか?このカップ麺を食べて吹き飛ばそう!
さぁ、7月も中旬。
気が付けばセミの鳴き声が聞こえたり、本格的に夏を感じる時期になった。この時期になると、いつも思い出す曲がある。皆さんご存知、ケツメイシの『夏の思い出』だ。知らないし、聞いたこともない?そうか、じゃあ歌詞を検索してみよう。1コーラス目はこうなっているはずだ。
夏の思い出、手を繋いで、歩いた海岸線
グリードアイランドでレイザーに勝って手に入るカードは『一坪の海岸線』だが、それは今は関係はない。とにかく、彼らにとっての〝夏の思い出〟とは、誰かと一緒に海岸線を歩いた思い出なのだ。私には、彼らのように歌に出来るほど美しかったり、浸れるような夏の思い出は少ない。むしろ、思い出したくもない【黒歴史】の方が圧倒的に多かったりする。そういう方も多いのではないだろうか?
【黒歴史】とは口に出すのも恥ずかしい、記憶から消し去ってしまいたい過去のはずだが、この夏。ある〝大企業〟が、彼ら自身も赤面しているであろう【黒歴史】を我々の前に披露してくれた。
その大企業とは、日本のインスタント食品業界の雄。
カップヌードルでお馴染み、日清食品だ。
そして、その黒歴史がこれ。
「日清の黒歴史トリオ」である。
企画のネーミングが分かりやすすぎて、逆に何かのメッセージが込められているのではないかと勘ぐってしまうが……読んで字のごとく「黒歴史トリオ」だ。その証拠に、上のHPにはこんな記述が見受けられる。
発売したものの思ったように売れず、存在をなかったことにしたい "黒歴史" の商品があります。
と、ある意味でこの企画は、日清食品の威信を掛けた企画だったことがうかがえる。こんな大企業も黒歴史を全世界に向けて発信するくらいなのだから、我々の黒歴史などそれこそダニのようにちっぽけで、誰に言っても恥ずかしくないような錯覚に陥るが……私の黒歴史を聞いたところで誰も喜びはしないので、一旦冷静になることにする。
なので、今回はこの「黒歴史トリオ」から『カップヌードル サマーヌードル』を紹介しようと思う。
PCの背景《奔流の機械巨人》が映り込んでいるが、あまり気にしないで欲しい。
どうだろうか?この、堂々たる黒歴史の姿!!
黒歴史の姿!
もはやこれは黒歴史なのだろうか?余りにも堂々としすぎていて、企画経営陣のドヤ顔すら見えてきそうではないか。きっと彼らはこう思っているはずだ……
「世界よ、これが黒歴史だ」ってね。
公式HPによると、この商品が最初に発売されたのは1995年。当時は、レモングラスがレモン味に誤解されたために売れなかったという。なるほど、当時の失敗の原因は〝時代の先取り〟だったようだ。では食べてみよう。
今見て貰っているのは、お湯を入れ、粉末スープと共にかき混ぜた直後の写真だ。目を惹くのは赤いスープ。まずこのスープを味わうと、なるほど当時には早すぎたかも知れないトムヤムクンを思い出させるエスニック風味。
しかし、トムヤムクンの独特なクセも、うまい具合にアレンジされていた。すっきり、さっぱり。今の日本人の味覚にバッチリハマっている。写真にも写り込んでいるベーコンも、その風味を引き立てるのに一役買っている。ベーコンの塩気と燻製の香りが、レモングラス風味と複雑に絡み合い食欲は止まらなくなる。気が付くと、完食完飲ウンメー!といった具合。これが黒歴史とは……日清食品……恐れ入るばかりである。
黒歴史、確かにそれは人によっては忘れ去りたい過去かも知れない。しかし、そうではないと、大企業自ら率先してそれを示してくれた。さぁ、あなたはこの夏、どんな黒歴史を作ることになるのだろうか??
では。
肥後ばいそん